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今開催で13度目となる北野ガーデン古典芸能イベント「春風の宴 ~能「藤戸」~」を開催致しました。
18:30 開演。会場は桜が舞い散る美しいガーデンで行いました。

~あらすじ~
都落ちした平家が備前児島に陣を敷き、一方源氏は、海峡を挟んだ対岸の藤戸に軍を構えていました。そのとき源氏の武将・佐々木盛綱は、浦の男から児島に渡る浅瀬の場所を聞き出し、しかも秘密の漏洩を恐れて男を殺してしまいます。
その後、盛綱は浅瀬を渡って児島に一番乗りの武功をあげ、恩賞として児島を所領にしました。
能『藤戸』は、源平の合戦も終わり、児島に赴任した盛綱が、里人に訴えたいことがあれば申し出よ、と伝えるところから始まります。

すると女が現れ、泣きながら息子が殺された恨みを訴え、弔ってくれと頼みます。初めは無視する盛綱もついに隠し切れず、浦の男を殺したときのようすを語ります。息子を殺された悲しみが募る母親は、自分も息子と同じように殺してくれと迫ります。
さすがの盛綱も心を動かし、懇ろに弔うことを約束して母親を納得させます。


芝能

盛綱は約束どおり、自ら「大般若経」を読んで浦の男を弔います。そこに浦の男が亡霊となって現れます。浅瀬を教えたのだから謝礼があってよいはずなのに、逆に二度も胸を刺し通され海に沈められた、と盛綱を責めますが、結局は、思いがけない仏の救いを得て成仏できた、と言い残し消えていきます。

能『藤戸』は、『平家物語』を典拠にしています。源平の戦いの最中、佐々木盛綱が浅瀬の場所を浦の男から聞きだした上、殺してしまいます。
『平家物語』では、戦場での加害者の非情な行動を描いた小さなエピソードにすぎません。しかし能『藤戸』は、同じ出来事を被害者の側、それも殺された男とその母親という二人の怨恨を深くえぐることで痛切な物語に変えています。 (希)

幽玄な能楽の後、北野ガーデン料理長・福原 俊亮が心を込めてつくりあげたフレンチをビュッフェスタイルでお召し上がりいただきました。

次回の芝能は2016年10月5日(水)を予定しております。
皆様のお越しを従業員一同、心よりお待ち申し上げます。