その夜、僧の夢の中に、甲冑姿も凛々しい義経の幽霊が現れ、まだこの地の執心が残っているのだと訴えます。
そして、屋島の合戦で、波に流された弓を敵に
取られまいと、身を捨てて拾い上げた「弓流し」の有様を語り、修羅道での絶え間のない闘争ぶりを見せたかと思うと、夜明けと共にその姿はなく、浦風の音が聞えるだけでした。
(能楽手帖 権藤芳一より)
『八島』は、平家物語に取材した作品で成立は室町時代、修羅能の名作といわれています。
平家物語の巻十一「弓流し」から取材され、屋島の戦いにおける義経主従の活躍と修羅道におちた武将の苦しみが流麗な文体で描かれています。
幽玄な能楽の後、北野ガーデン料理長・福原 俊亮が心を込めてつくりあげたフレンチをビュッフェスタイルでお召し上がりいただきました。
次回の芝能は2016年4月6日(水)を予定しております。
皆様のお越しを従業員一同、心よりお待ち申し上げます。