一行は驚いて逃げ出すと、先程の老女が鬼女の本性を現し、約束を破って閨の中を見たことを非難し、恨み、襲いかかって来ます。
山伏達は必死に祈るので、鬼女は遂に祈り伏せられ、恨みの声を残して、夜嵐とともに消え失せます。
能 安達原は、三鬼女とも呼ばれている曲目で、世の無常さや人間の悲哀さを描いている作品です。
前場では世阿弥が出家する以前の自信作のひとつで、ニワクセカワによって紡ぎだされる糸のように、女の口から浮世の無常さ、若さを失い老いても尚生き続けて行か なければならない辛さが語られます。
後場では、人の陰の部分を他人に見られた人間の恨みや悲しさを般若の面を用いて表現します。また『祈り』と呼ばれる鬼 女と山伏のせめぎ合いの部分も見どころの一つです。
北野ガーデン新料理長・福原 俊亮が心を込めてつくりあげたフレンチをビュッフェスタイルでお召し上がりいただきました。
次回の芝能は2015年4月8日(水)を予定しております。
皆様のお越しを従業員一同、心よりお待ち申し上げます。