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今開催で9度目となる北野ガーデン古典芸能イベント「 芝能 ~清経~」を開催致しました。
18:30 開演。会場は春風が心地よいガーデンで行いました。

~あらすじ~
平清経の家臣、淡津三郎はひそかに一人で九州から都へ戻ってきます。清経は、平家一門と共に幼帝を奉じて都落ちし、西区にへと逃れますが、敗戦につぐ敗戦に、前途を絶望して、豊前国(福岡県)柳ヶ浦で、船から身を投げて果ててしまいます。
三郎は、その形見の黒髪を、清経の妻に届けるために、戻って来たのです。その話を聞いた妻は、せめて討死するか病死ならともかく、自分を残して自殺するとは、あんまりだと嘆き悲しみます。
そして形見の黒髪も見るに忍びず、涙ながらに床につくと、夢の中に清経の霊が現れ、妻によびかけます。 妻は嬉しくもあるが、再び生きて姿を見せてくれなかったことを恨みます。
清経は、都を落ちた平家一門が、筑紫での戦にも敗れ、願をかけた宇佐八幡の神からも見放されたいきさつ、敗戦の恐ろしさ、不安、心細さを話して聞かせ、望みを失って月の美しい夜ふけ、西海の船上で横笛を吹き、

芝能

今様を謡って入水したことを物語って、妻を納得させようとします。
続いて修羅道の苦しみを見せますが、実は入水に際して十念を唱えた巧徳で成仏しえたと述べ、消えていきます。

能 清経は、世阿弥が出家する以前の自信作のひとつで、現代でも修羅能の代表的な一曲です。
亡霊のシテが妻の夢に現れるという設定ですが、前シテが後シテの化身という設定の複式夢幻能とは異質の、現在能的な作風です。
張りつめた緊張感のなか、地謡、囃子とシテの舞とが、お互いに、これら一連の情景を描写し合う様に圧巻されながら幕を閉じました。

次回の芝能は2014年101日(水)を予定しております。
皆様のお越しを従業員一同、心よりお待ち申し上げます。