今様を謡って入水したことを物語って、妻を納得させようとします。
続いて修羅道の苦しみを見せますが、実は入水に際して十念を唱えた巧徳で成仏しえたと述べ、消えていきます。
能 清経は、世阿弥が出家する以前の自信作のひとつで、現代でも修羅能の代表的な一曲です。
亡霊のシテが妻の夢に現れるという設定ですが、前シテが後シテの化身という設定の複式夢幻能とは異質の、現在能的な作風です。
張りつめた緊張感のなか、地謡、囃子とシテの舞とが、お互いに、これら一連の情景を描写し合う様に圧巻されながら幕を閉じました。
次回の芝能は2014年10月1日(水)を予定しております。
皆様のお越しを従業員一同、心よりお待ち申し上げます。