10周年を記念して、4月に行った「雅楽」に続き、今回は「芝能」の開催。広々とした庭園には、色鮮やかな紅葉が広がっています。
18:00開場。スタッフ迎える中、約140名ものお客様が続々とご来場。
18:30講演開始。今回は、能の中でこれほど有名なものはないとわれている、昔話でおなじみの「羽衣伝説」をもとにした演能が披露されました。
シテ・天人を上田貴弘氏、ワキ・漁夫・白龍を江崎敬三氏によって、一見無表情な能面にも幾通りもの表現が感じられました。
物語のあらすじは・・・春の朝、三保の松原に住む漁師・白龍(はくりょう)は、仲間と釣りに出た折に、松の枝に掛った美しい衣を見つけます。家宝にするため持ち帰ろうとした白龍に、天女が現れて声を掛け、その羽衣を返して欲しいと頼みます。白龍は、はじめ聞き入れられず返そうとしませんでしたが、羽衣がなくては天に帰れないと、空を仰いで嘆き悲しむ天女の姿に心を動かされ、羽衣を返すかわりに、天女の舞楽を見せて欲しいと頼みます。
羽衣を着た天女は、月宮の様子を表す舞いなどを見せ、さらには春の三保の松原を賛美しながら舞い続け、やがて彼方の富士山へ舞いながら、霞にまぎれて天空へと上ってゆきます。
ライトアップされた木々の、なんとも幻想的な庭園の中での宴。 会場のお客様から感激の拍手が送られました。
幽玄な能楽の後、北野ガーデン料理長・依田力が心を込めてつくりあげたフレンチをビュッフェスタイルでお召し上がりいただきました。
フランス料理と能との融合も自然で、皆様しばらくその余韻に浸っていらっしゃる様子でした。