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北野ガーデン10周年記念イベント 雅楽 花の宴 ~管弦・舞楽の夕べ~

2010年4月13日(火)・14日(水)、北野ガーデンにて、10周年記念イベント『雅楽 花の宴 ~管弦・舞楽の夕べ~』を開催致しました。
面積約600坪(建物を入れると1000坪)の広々とした庭園が訪れた人の心を和ませます。一年中緑が美しい芝生の周りには四季折々に愉しめる草木が植わっており、観賞用だけではなくお客様が自由に遊歩道を散歩されるなど自然と庭に親しまれている姿が見られます。10周年を記念して、この庭園の芝生と木々の緑の美しさをより多くの方に愉しんでいただけるように、『雅楽 花の宴 ~管弦・舞楽の夕べ~』を企画致しました。

18:00開場。着物姿などのお客様が続々とご来場され、ロビー中央に美しく咲き誇る「ななかまど」の木がお出迎え。2階にビュッフェスタイルのフレンチをご用意し、庭園が見渡せるレストランテーブルにてお召し上がりいただきました。ライトアップされ始めた木々は昼間の新緑の鮮やかさとは一味違い、なんとも言えず幻想的。北野の街中にありながら、あたかも山荘にでもいるかのような雰囲気となりました。

19:30、庭園にて第一部・管弦スタート。芝生に張られた毛氈の上に黄色の装束を纏った演奏者が11人。
代表は雅楽・古単の会の代表でもある三浦進氏。世界遺産・厳島を有し800年余の雅楽伝統を有する広島で質の高い正統雅楽の伝承、発展を目指されています。
メンバーは国内外のメジャーで公演活躍する東京芸大雅楽専攻出身の若手演奏家が主力で、今回は東京・関西の実力派演奏家も加わり最強の構成。管弦とは舞を伴わない器楽合奏の形態。楽器構成は「三管三鼓両弦」。
和音をなす笙(しょう)、リード楽器としての役割のひち篥(ひちりき)、オーケストラで言えばフルートやピッコロのような龍笛(りゅうてき)の三種類の管楽器と鞨鼓(しょうご)・太鼓・鉦鼓(かっこ)の三種類の打楽器、ベースの役割をしている琵琶、琴のような筝(そう)の二種類の弦楽器という構成です。

舞楽
舞楽

20:20からは第二部の舞楽をお楽しみいただきました。
舞楽には、中国から渡来した音楽、唐楽で舞う「左方の舞」と朝鮮半島から渡来した音楽、高麗楽で舞う「右方の舞」がありますが、今回は左右の走舞の代表曲2曲、「蘭陵王」と「納曽利」。
「蘭陵王」は中国6世紀北斎の王がその美貌が災いして戦場で兵の士気が上がらないため、獰猛な龍面をつけて指揮をとり周の大軍に大勝利を得たことを喜んだ部下たちが創ったとされる舞曲。
「納曽利」は雌雄の龍が楽しげに遊ぶ姿を舞にしたと言われる二人の舞曲。舞のもつ軽快な動きとは裏腹に、流れる旋律は哀切極まりなく、見る物聞く者の心を打ってやまない右方走舞の最高傑作です。

新緑が美しい庭園を舞台に朱色の着物を纏い、金の面をつけて踊る舞人の姿が妖しくも幻想的で、それでいて踊り手と演奏者の気持ちが切々と伝わってくるようなそんな不思議な感覚に・・・。演奏が終わると、会場のお客様から感激の拍手が鳴り止まず、アンコール演奏も行われたほどの好評ぶりでした。

緑豊かな庭園での中国唐代宮廷音楽は、華やかな性格を残しながらも、極めて日本的で簡素端正な美的様式で統一されている完成度の高い雅楽。フランス料理との融合もとても自然でしばらくその余韻が続きました。